2010年04月10日

ハンドソーンウェルテッドとグッドイヤーウェルテッドその2

今回は「ハンドソーンウェルテッドとグッドイヤーウェルテッドその2」をお届けします。

前回はウェルテッド製法についての概要を説明し、ハンドソーンウェルテッド製法とグッドイヤーウェルテッド製法の二つの製法があるとご紹介しました。
そのうち、まずはハンドソーンウェルテッド製法から詳しくご説明したいと思います。
ハンドソーンウェルテッド製法とはズバリ、ウェルトをハンド(手で)ソーン(縫う)製法です。
もっとも原始的な製法であり、グッドイヤーウェルテッド製法の原型となる製法になります。



上記の写真がハンドソーンウェルテッド製法で縫われた靴です。
中底、ウェルト、アッパー、ライニングが白い糸で縫い合わせられています。
白い糸が中底に「直接」縫い付けられているのがお分かりになりますでしょうか?
「直接」と書いたのはのちのちまた意味を持ってくる言葉だからです。

ハンドソーンウェルテッド製法では中底に約5ミリ厚のベンズの革を使用します。
しばらく履いていると、この5ミリの中底が徐々に履いている人の足型に沈んできます。
こうしてその人独自の足型が靴の中底にコピーされ、その人だけによりフィットした一足となるのです。

また、前回「アッパー・ライニング・中底を傷つけずに本底の貼り換え(オールソール)ができる」のがウェルテッドシューズのメリットだと申し上げましたが、ハンドソーンウェルテッドの場合、中底に5ミリの厚さがあるためオールソールの際にもコピーされた足型が消えてしまうことがありません。
つまり、その人だけにフィットしたお靴をずっとお履きいただけるということなのです。

ハンドソーンウェルテッド製法は、フィットした靴をずっと履けるというとってもすばらしい製法なのですが、曲がった針で縫いつけるため、人の手でないと縫うことができません。
つまり、時間とコストはどうしてもかかってしまい、それが価格に反映されて非常に高価な金額のお靴になります。
それゆえ、現在ではビスポーク(注文靴)のようなお靴にしか用いられない製法です。

次回はグッドイヤーウェルテッド製法についてご説明いたします。


  

Posted by リペア工房RESH.       日本橋三越本店 at 17:20Comments(0)TrackBack(0)ウエルト交換

2010年03月08日

ハンドソーンウェルテッドとグッドイヤーウェルテッドその1

先日リウェルトでお修理しましたお靴がハンドソーンウェルテッド製法でしたので、ちょっと触れてみたいと思います。

靴にはいろいろな製法がありますが、アッパー・ライニング・中底と本底をウェルトを介して縫合されている靴をウェルテッドシューズといいます。
この製法ではアッパー・ライニング・中底とウェルトをまず縫い合わせて、その後ウェルトと本底を縫い合わせます。
つまり縫い合わせている部分が2ヶ所あるということです。
このことからウェルテッド製法を「複式縫い」と呼ぶこともあります。
「アッパー・ライニング・中底とウェルト」の縫いあわせを「すくい縫い」、「ウェルトと本底」の縫いあわせを「出し縫い」といいます。

この製法の最大のメリットはアッパー・ライニング・中底を傷つけずに本底の貼り換え(オールソール)ができるということです。
アッパー・ライニング・中底は直接足に触れる部分であり、靴の基本となる部分ですので、アッパー・ライニング・中底を傷つけないことによって履き心地が変わらずに、長く同じお靴を履くことができるわけです。

「アッパー・ライニング・中底とウェルト」の縫いあわせである「すくい縫い」については二種類あり、手ですくい縫いする「ハンドソーンウェルテッド製法」と機械ですくい縫いする「グッドイヤーウェルテッド製法」があります。

下の写真がハンドソーンウェルテッド製法です。



また、下の写真がグッドイヤーウェルテッド製法です。



それぞれの違いやメリットについてはまた次回お伝えしたいと思います。  

Posted by リペア工房RESH.       日本橋三越本店 at 19:23Comments(0)TrackBack(0)ウエルト交換